『マトモデない研究』で出世しようとする東大人種
SRADというサイトの最近(2015年12月)の記
事によれば『まともでない論文誌』に投稿、発表された論
文の数が東大はじめ旧帝大系の大学所属の人たちによるも
のが『世界を圧倒している』という。ここで『まともでな
い論文誌』と は『predatory 出版』と呼ばれているもの
の総称である。
このような『論文誌』は,たしかな査読者、閲読者制度
もない代わり、法外な『投稿料』を払わせる。つまり投稿
者を『食い物にする(predatory) 』出版というわけだ。
predatoryと言っても、それを承知で著者たちは投稿した
のだ。つまりこれは食い物にされることを百も承知でやっ
たことではないか。
それにしてもこのpredatory論文誌の執筆者の所属が東大
はじめ旧帝大系が世界で群を抜いて多いというのは唖然と
する。問題となるのは大きく分けて二つある。一つは人事
考課などでこのpredatory論文が役立っている現実である。
学位審査、スタッフ採用、昇格人事でまともな研究論文と
みなされているのではないか。もしそうでないのなら、わ
ざわざ大金を払って投稿するはずがないからだ。
もう一つの問題は法外な掲載料支払のことである。通常、
大学所属の研 究者は大学院院生も含めて、論文の掲載料は
研究室の予算、あるいは大学の研究補助費から支払われる。
まったく個人で、『身銭を切って』払うのは稀である。だ
から『食い物にされ』被害を受けるのはこれら研究費の支
出者である。つまり文科省、大学など。これは会計監査の
対象にすべき事案である。
しかしそうは言っても引用文献の論文掲載誌のどれが
predatoryかを人事考課の教授会や役員会の大部分は知らな
いし、また会計監査の役人などはまったくの門外漢である
から知る由もないのだ。すると当然のことながらしっかり
と指導すべきは研究室の指導者である。その研究室の指導
者は一体正確にどの論文誌がpredatoryか を知っているのだ
ろうか。
predatory論文誌を承知で論文を投稿し、法外な値段の掲
載料は公的研究費予算から支払うとなればこれは研究費の
不正支出ではないか。もっとはっきり言えばこれは研究不
正であり、研究費詐取ともなる。研究室の責任者の教授も
この支出を承認したのだからこれは研究費不正の加担者と
なりうる。
(丸善出版物理科学月刊誌『パリティ』(大槻義彦
編集長)より部分転載)
事によれば『まともでない論文誌』に投稿、発表された論
文の数が東大はじめ旧帝大系の大学所属の人たちによるも
のが『世界を圧倒している』という。ここで『まともでな
い論文誌』と は『predatory 出版』と呼ばれているもの
の総称である。
このような『論文誌』は,たしかな査読者、閲読者制度
もない代わり、法外な『投稿料』を払わせる。つまり投稿
者を『食い物にする(predatory) 』出版というわけだ。
predatoryと言っても、それを承知で著者たちは投稿した
のだ。つまりこれは食い物にされることを百も承知でやっ
たことではないか。
それにしてもこのpredatory論文誌の執筆者の所属が東大
はじめ旧帝大系が世界で群を抜いて多いというのは唖然と
する。問題となるのは大きく分けて二つある。一つは人事
考課などでこのpredatory論文が役立っている現実である。
学位審査、スタッフ採用、昇格人事でまともな研究論文と
みなされているのではないか。もしそうでないのなら、わ
ざわざ大金を払って投稿するはずがないからだ。
もう一つの問題は法外な掲載料支払のことである。通常、
大学所属の研 究者は大学院院生も含めて、論文の掲載料は
研究室の予算、あるいは大学の研究補助費から支払われる。
まったく個人で、『身銭を切って』払うのは稀である。だ
から『食い物にされ』被害を受けるのはこれら研究費の支
出者である。つまり文科省、大学など。これは会計監査の
対象にすべき事案である。
しかしそうは言っても引用文献の論文掲載誌のどれが
predatoryかを人事考課の教授会や役員会の大部分は知らな
いし、また会計監査の役人などはまったくの門外漢である
から知る由もないのだ。すると当然のことながらしっかり
と指導すべきは研究室の指導者である。その研究室の指導
者は一体正確にどの論文誌がpredatoryか を知っているのだ
ろうか。
predatory論文誌を承知で論文を投稿し、法外な値段の掲
載料は公的研究費予算から支払うとなればこれは研究費の
不正支出ではないか。もっとはっきり言えばこれは研究不
正であり、研究費詐取ともなる。研究室の責任者の教授も
この支出を承認したのだからこれは研究費不正の加担者と
なりうる。
(丸善出版物理科学月刊誌『パリティ』(大槻義彦
編集長)より部分転載)
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