障害者をいじめぬく日本

　最近の日本では障害者に対するむごい仕打ちきが毎日問
題になっている。中でも関東のある知的障害者施設の中
で、介護職員による集団暴行致死事件がその一つである。
これは偶然起こったことではない。職員たちは『連日忙
しく、ストレスの連続だった』と労働条件の悪さを上げ
ている。もちろん労働条件が悪いからと言って障害者を
殴り殺し、けとばし殺しをやっていいわけではない。
　さらに眼を引くのは、軽い知的障害のある女性が働く
場所がなく、性的仕事を強要される事件であった。男た
ちに食い物にされていたという。
　ここで思い出されるのが安部総理の演説である。曰く
『努力した者が報われる社会をつくる』というもの。一
体障害者、知的障害者が上のように虐げられるのは『努
力していない』からなのか？！努力、努力と言われても
その努力もしようのない障害者。その痛みを安部総理は
理解できないのか。
　ここで思い出すのはヨーロッパ、とくに北欧諸国の施
政なのだ。『政府は弱い者のためにある』『政府は富の
再配分のためにある』という原理、論理なのだ。
　およそ生命の進化のすべての課程で『恵まれた突然変
異』が現れる前提として『恵まれない突然変異』も現れ
る可能性があるのだ。したがって恵まれた変異は恵まれ
ない変異を尊重し、保護する義務がある。それを集団的
に行うのが政府のただ一つの役割である。つまり『富の
再配分』のことである。
　安倍内閣の『勝者はますます勝ち、弱者はますます負
ける』政治が露わに表れたのが昨今の障害者いじめで
ある。
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