たかじん逝く
関西の名物男、たかじんさんが亡くなった。こころか
らご冥福をお祈りいたします。
これまでの数あるテレビ番組の中で私の出演回数のもっ
とも多いのがたけしのテレビタックルですが次はたかじ
んの番組でした。『たかじんのバー』とか『たかじんの
なんとか』という番組です。
冬季、サイパンに滞在しているときなど、たかじんの
番組出演のため、わざわざサイパンから日帰りをしまし
た。朝4時の便に乗って関西空港に来て、そのまま夜9
時の便でサイパンに戻るのです。サイパンの入管が見咎
めました。『今朝日本に帰国したのにその日のうちにま
たサイパンに戻るとは何事か?』と。
この話をその後日の番組で話したら出演者一同大笑い
したが、たかじんは平気な顔でつぶやきました。『俺と
同じや。俺も収録終わって最終便で札幌に行き、ススキノ
で朝まで飲んで一睡もせず早朝の便で大阪に戻るのだ』と。
そういえばその後、午後の収録だというのに、ふらふ
ら、ぐてんぐてんに酔っぱらってスタジオに登場したこ
とがありました。『ススキノからの朝帰りや』と。
秋に入り、大阪も寒くなったある日のこと、番組の次
の日に関西で講演が入っていたので大阪一泊にしました。
これを聞きつけたたかじんさんから夕食を誘われました。
丁度『週刊ゴルフダイジェスト』に連載を始めた直後で
『ゴルフの話がしたいんや』ということでした。
食事の後、是非飲もうと言う。自分は酒はまったくダ
メと断っても付き合えと言ってきかない。連れられて行っ
た場所は北の新地のバー。6階建のビルの最上階。『ボ
ジョレヌーボーの解禁だろう?。一番旨いの持って来い』
そのワインが出て一杯飲むと『さあ、引き上げだ』と
立ち上がりました。何?もうおしまいか?!まだ一杯の
ワインに口を触れただけではないか。彼は有無を言わさ
ず立ち上がりそのまま下の5階のバーへ。ここでもいい
ワインを一杯だけ飲むとすぐ下の階へ。
たかじんは一体何をする気だ?!これを繰り返してつ
いに2階まで5つのバーを30分で歩いた。そして最後
に1階の喫茶店。『たかじんさんよ、これは一体何ごと
ですか?』そしたらたかじん曰く。『これまでの店で気
に入った女はどこ?そこでゆっくり飲もう』と。
『女?女なんて覚えていないし、品定めもやってない』
と答えると『じゃあしょうがないなあ、それじゃこれか
ら俺の店に行こう!』
私も教員のはしくれ。ついついお説教したくなる(今
でも!)。たかじんにもそうでした。『お酒もたばこも
ほどほどに出来ないのか?酒は少しなら体にいい、とい
うのはウソだ。酒もれっきとした発癌物質だ』こうお説
教したことは一二度ではない。
このときばかりは彼はただ無言でした。ふつうの会話
では必ず突っ込みを入れてくるのに、酒やめろのお説教
だけにはただダンマリでした。彼は自分で分かっていた
のです。
つまりたかじんは阿呆のようで賢かった。もっとも賢
いようで阿呆でもあったが。それはともかく関西をしょっ
て立つおしい人物を亡くしました。やしきたかじんに合掌!
--
らご冥福をお祈りいたします。
これまでの数あるテレビ番組の中で私の出演回数のもっ
とも多いのがたけしのテレビタックルですが次はたかじ
んの番組でした。『たかじんのバー』とか『たかじんの
なんとか』という番組です。
冬季、サイパンに滞在しているときなど、たかじんの
番組出演のため、わざわざサイパンから日帰りをしまし
た。朝4時の便に乗って関西空港に来て、そのまま夜9
時の便でサイパンに戻るのです。サイパンの入管が見咎
めました。『今朝日本に帰国したのにその日のうちにま
たサイパンに戻るとは何事か?』と。
この話をその後日の番組で話したら出演者一同大笑い
したが、たかじんは平気な顔でつぶやきました。『俺と
同じや。俺も収録終わって最終便で札幌に行き、ススキノ
で朝まで飲んで一睡もせず早朝の便で大阪に戻るのだ』と。
そういえばその後、午後の収録だというのに、ふらふ
ら、ぐてんぐてんに酔っぱらってスタジオに登場したこ
とがありました。『ススキノからの朝帰りや』と。
秋に入り、大阪も寒くなったある日のこと、番組の次
の日に関西で講演が入っていたので大阪一泊にしました。
これを聞きつけたたかじんさんから夕食を誘われました。
丁度『週刊ゴルフダイジェスト』に連載を始めた直後で
『ゴルフの話がしたいんや』ということでした。
食事の後、是非飲もうと言う。自分は酒はまったくダ
メと断っても付き合えと言ってきかない。連れられて行っ
た場所は北の新地のバー。6階建のビルの最上階。『ボ
ジョレヌーボーの解禁だろう?。一番旨いの持って来い』
そのワインが出て一杯飲むと『さあ、引き上げだ』と
立ち上がりました。何?もうおしまいか?!まだ一杯の
ワインに口を触れただけではないか。彼は有無を言わさ
ず立ち上がりそのまま下の5階のバーへ。ここでもいい
ワインを一杯だけ飲むとすぐ下の階へ。
たかじんは一体何をする気だ?!これを繰り返してつ
いに2階まで5つのバーを30分で歩いた。そして最後
に1階の喫茶店。『たかじんさんよ、これは一体何ごと
ですか?』そしたらたかじん曰く。『これまでの店で気
に入った女はどこ?そこでゆっくり飲もう』と。
『女?女なんて覚えていないし、品定めもやってない』
と答えると『じゃあしょうがないなあ、それじゃこれか
ら俺の店に行こう!』
私も教員のはしくれ。ついついお説教したくなる(今
でも!)。たかじんにもそうでした。『お酒もたばこも
ほどほどに出来ないのか?酒は少しなら体にいい、とい
うのはウソだ。酒もれっきとした発癌物質だ』こうお説
教したことは一二度ではない。
このときばかりは彼はただ無言でした。ふつうの会話
では必ず突っ込みを入れてくるのに、酒やめろのお説教
だけにはただダンマリでした。彼は自分で分かっていた
のです。
つまりたかじんは阿呆のようで賢かった。もっとも賢
いようで阿呆でもあったが。それはともかく関西をしょっ
て立つおしい人物を亡くしました。やしきたかじんに合掌!
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