風力発電の騒音問題、何故解決できないのか？

毎日新聞（２月２２日）によれば風力発電の騒音で運転
停止を求める訴訟騒ぎが起こっている、という。
　（以下引用）
東京電力福島原発事故後、再生可能エネルギーの一つとし
てますます重要性が高まる風力発電だが、風力発電単独の
環境基準がなく、全国で騒音などの問題が起きている。愛
知県田原市では、風力発電施設のそばに住む農業男性が、
騒音を理由に運転停止を求める訴訟の準備を進めている。
この男性の家を訪ねてみると、鉄道や幹線道路などが放つ
騒音とは異質な音が、家の中まで侵入していた
　　　　（引用終わり）
　再生可能エネルギーとして脚光を浴びる風力発電である
が、このような問題が本当にあるのか。そういえば私自身
もこの種の騒音に驚いたことが二度ほどある。１回目は１
０年ほど前、ロスアンジェルス郊外の風力発電だった。空
港からのタクシーの通り道の道路に沿って何十基もの風車
が回っていた。
　それはそれは壮観だったのでタクシーを止め、写真をと
ろうとした。クルマから外に出たとたん、耳を覆いたくな
るなるようないやな騒音がした。ドライバーと話が出来な
いほどの騒音ではないが、何とも形容が出来ないような嫌
な音だった。布をこすり合わせるような、耳の奥にたまる
ような音だった。これは多分低周波騒音というやつなのだ
ろう、と思ったことがある。
　もう一回はドイツ、ミュンヒェンの郊外の、実験用風車
の騒音だった。これは私が客員教授として招聘されていた
ミュンヒェン大学物理学科が郊外に設置したもので、いわ
ば小型の、テスト風車だった。私はある週末、山登りのハ
イキングの帰り道、この風力発電用風車に案内された。
　真下に立つと、耳の奥からハラに達するような奇妙な騒
音だった。案内してくれた助手（助教）は『この風力発電
の試験機は発電のためのモノではなく、この騒音を消すた
めの装置だ』と説明していた。羽の先端などにさまざまな
突起物を貼り付けて騒音を消す研究をやっていた。
　あれからおよそ１５年。いまだに風力発電からのいやな
騒音の問題は解決していないらしい。これでは風力には幻
滅だ。
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