国連科学委員会、『福島のがん発生はない』だと?!
朝日新聞4月2日によれば
東京電力福島第一原発事故の健康への影響を分析した国連
科学委員会の報告書の全容がわかった。福島県民は全体的に、
がんの増加は確認できないと評価した。原発30キロ圏内に
いた当時の1歳児に限っては、甲状腺がんの増加が確認でき
る可能性はあるが、現在はデータが足りないために結論が出
せないとした。報告書は2日に公表される。
国連科学委の報告書は、原発事故に関する報告書では国際
的に最も信頼されている。科学委は、日本政府の観測データ
や世界の研究者の論文などをもとに、福島県内外の住民につ
いて、事故当時の1歳と10歳、成人という3分類で外部被
曝(ひばく)と内部被曝線量を推計。健康への影響を調べた。
報告書によると、事故後1年間の全身への被曝線量は、原
発周辺も含めた福島県全体で成人は平均1~10ミリシーベ
ルト、最も影響を受けやすい1歳児は約2倍になると推計し
た。1歳児でも、がんのリスクが明らかに高まるとされる1
00ミリシーベルトを下回った。
(引用終わり)
国連科学委員会は世界の信頼ある高名な科学者で構成され
またそれをサポートするスタッフも博士号を持つ優秀な科学
者たちである。したがってその報告書、勧告書は世界的に高
い信頼性を持っている。
それにしては今回の福島原発放射能被害の評価はまったく
理解困難な、腑に落ちないものだ。まずおかしいのは『福島
ではがんの増加は確認できない』と結論したこと。がんの発
症は20年から30年で現れるのだ。もちろんまれに10年
後、ということもあるが、事故後たった3年でがん発生はな
いとは何事か?!
次におかしいのは『福島県全体の平均被ばく量が1から10
ミリシーベルトだからがん発症の危険はない』とした点である。
冗談ではない。『福島県全体の平均』だと?!それなら浪江町、
大熊町など高被ばく地は無視するのか。このような『平均被ば
く量』などまったく非科学的である。重要なのは個々人の被ば
く量と将来のがん発症の可能性である。
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