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私のブログ『博士院生に対する応援メッセージ』への無理解な反論

 7月12日の、大学院博士課程の人の投稿への応援メッ
セージ記事に対して現在博士課程の在籍している方、オー
バードクターの方、大学教員、教官への応募、就職活動を
経験した方々などから様々な反響がありました。その一部
はコメント欄に匿名で掲載されています。
 たとえば7月12日付反論はこんな具合でした。
    (以下引用)
 博士課程を修了した人の研究職(大学)への就職が本人
の能力と努力次第,というのは全くの間違いです。 特に
大学の人事にはうさん臭い面があります。
 文系理系を問わず,大規模な私立大学では,理事の子弟
(または親戚),そして,自校の卒業者が,いい加減な "
審査" で教員に採用され,ろくに研究業績もないまま,若
くして教授に昇任,などということがあるようです。そう
した大学は,教員の大多数を自校卒業者で固めた同族の "
生活互助会"。 どんなに優秀な教授でも,自校出身者でな
ければ,その大学では,所詮,外様扱いです。私自身につ
いて言えば,ある時,ある大学の教授と私の恩師との間で
話がついたので,その学科の教授として採用されるための
所定の書類を私は嬉々として作成して送り,先方の教授か
ら「これでOKです」との返事をいただき,恩師ともども喜
んでいました。ころが,最終的には先方の判定会議にて不
採用となり,先方の教授は私の恩師に「大変に申し訳ない」
と恐縮していたそうです。不採用の理由は,やはり,私と
年齢の近い助教授たちの昇任を後回しにすることはできな
かった,とのことでした。大学では教授の定員枠が決まっ
ているので,人の採用においては,それほどに年齢構成が
重要な因子なのだな,と思い知らされた次第です。当時の
私に,先方の助教授を圧倒的に上回るほどの研究業績があ
れば,採用となったかもしれませんが,それほどの業績は
ありませんでした。また,ある大学の教授に応募したとき
は,最終候補者の一人として残り,面接を受けました。そ
の時には,先方の教授が数名出てこられ,その大学の学部
便覧を開いて,担当できる科目や必要な実験室の広さ,そ
の大学の学生のレベル状況などの相談がありました。 し
かし,最終的には不採用でした。人事担当の教授の話では,
やはり,私と年齢の近い助教授たちの昇任を後回しにする
ことはできなかった,とのことでした(体の良いお世辞だっ
たかもしれませんが)。 この時も,当時の私に,先方の
助教授を圧倒的に上回るほどの研究業績があれば,採用と
なったかもしれませんが,それほどの業績はありませんで
した。た,ある地方に県立大学が開設されることになり,
学会誌の求人欄にて,その教授や助教授の募集の公示が出
ておりました。それには,ちょうど私の専門分野に関係す
る部門のポストがありました。 当時の私は,一応の論文
数もあったので,教授職に応募するべく自信を持って書類
を作成し,大学開設準備室へ送付しました。 しかし,締
め切り後,面接の通知もなく,一ヶ月ほどして紙切れ一枚
の不採用の通知。なぜ不採用なのか自分でも疑問に思えて
なりませんでした。ころが,翌年に開設されたその大学の
教員リストを見ると,なんと,全部,地元の旧帝大のOBで
あることを知り,唖然とし,腹立たしさも覚えました。 
しかも,私が応募した部門の採用者の業績はそれほど多く
はありませんでした。 結局,その採用者以外の応募者は
はじめから「当て馬」であり,利用されただけでした。募
には,「候補者が決まっているが,公募で採用を決めたと
いう形式にする」ためのものと,文字通り「広く門戸を開
いた完全に平等な人材募集」の2種類があることを,そして,
いずれの場合でも,複数の著名な方々からの推薦書が絶大
な効果をもたらすことを,私は学びました。
(引用終わり)
 『大学の人事は胡散臭い』『大槻の言うのは間違い』と
のお説で、ご自分の経験を事細かに述べておられます。私
が『大学の人事の実態』をまったく知らずにこのブログを
書いたと思っておられるようです。
 あなたの言われている大学人事の実態など、あなたに言
われなくても百も承知です。私自身がさまざまな形で経験
してことですよ。
 私は東大大学院博士終了後、不本意にも東大工学部物理
工学科に助手として採用されましたが、そこの人事はたっ
た3人の教授だけで牛耳っていました。教授になりたい助
教授はなけなしのお金をかけて教授につけ届をしていまし
た(私は実際に目撃しました)。
 こんな東大工学部に嫌気がさして早稲田大学理工学部に
移りました。しかしここでも早稲田出身者優先人事がおお
ぴらに行われていました。理工学部の中で物理学科だけは
そのようなことのないように努力が続けられていましたが、
『やむを得ず』情実人事、学閥人事になることは避けられ
ませんでした。
 逆に私自身が育てた大学院博士課程の人材を無理やり頼
み込んで某国立大学などに次々と送り込みました。これも
ある意味で情実人事でした。
 しかしいまや、このような悪弊は一掃されようとしてい
ます。古巣の東大工学部物理工学科の人事を見てください。
いまや『早稲田大学に追いやる』どころか早稲田大学から、
私が頼みもしないのに優秀なI君(私が早稲田で 指導した学
生)を教授として採用しました。
 その他にも物理工学科は今やノーベル賞候補に匹敵する
優秀な人材の集積場所の一つになっています。匿名さん、
この事実は大学便覧などで確認できるはずですよ。また肝
心の早稲田大学理工学部物理学科の最近の人事をごらんく
ださい。学閥などまったく存在せず、全国から、これもノ
ーベル賞候補クラスの人材を集めています。
 匿名さん、あなたの言われる大学人事の悪弊はいまや例
外的なもので、ほとんどの大学、とくに理系の学科の人事
はいかに優れた人材を登用するかの、いい意味での競争に
なっています。
 それにあなたは大きな誤解、曲解をしています。私の1
2日のブログは将来を思い悩む博士課程の院生個人に宛て
たものです。先輩の教育者として、相談者に悲観的なアド
バイスなどするはずがありません。日本の科学の将来、ま
た相談者の将来を考えて、『今はただただ努力あるのみ』
と励ます楽観論を言うことは当然です。教育者が若者から
相談を受けて、『将来は望みがないよ、止めとけ』と指導す
ることなど論外です。
 そのことも分からないあなたはすでに大学教員として不
適格です。どんなに研究業績があっても、面接であなたの
人柄が分かれば私はあなたの採用をためらうでしょう。
    (つづく)
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オーバードクター問題

7月12日の、大学院博士課程の人の投稿に対する大槻先生による応援メッセージについての私の意見は,確かに経験豊かな先生に対する失礼ともいえる文言があり,まず,お詫び申し上げます。
私の意見の趣旨は,この日本における博士課程修了者の就職難(研究職への)を打開するには,若手研究者を対象にした公平な競争システムが日本に構築されなければならない,とするものです。
私自身,博士号取得後には就職に苦労し,その後なんとか定職を得ることが出来ましたが,なかなか定職を得られずに苦しんでいた同僚研究者をたくさん見てきたので,この日本では博士課程まで行って勉強を続けることは,むしろ,若者にとっては損をする社会なのかな,と思い続けてきました。
早稲田の物理学科や東大の物理工学科のような,超一流の学科では,確かに,先生がおっしゃるように,世界の研究集団と競争するべく,広い門戸で人材(研究者)を集めていることと思います。 しかし,この日本では,現実的には,早稲田や東大のそのような学科ばかりではありません。
博士号取得後の多くの就職浪人(オーバードクター)を救う(応援する)ためには,「博士過程、オーバードクターの研究者も同じ。メが出ないのは才能がないか、努力が足りないか、運がなかったのかでしょう。しかし、それは人のせいでも、政治のせいでも、指導教授のせいでもありません。絵が売れない画家は教えてくれた先生のせいではなく自分のせいです。人生は挑戦あるのみ!」と鼓舞するだけでは,片手落ちではないかと思うのです。(大槻先生の,熱いメッセージそのものは充分に伝わってきます。)
どんな国でも,理工系の研究者が必要なことは(その国の産業の発展のために)当然のことですから,博士号取得後の多くの若い研究者を「社会全体として活かすシステム」が大切ではないでしょうか。 
私が知る限り,アメリカの大学院では,博士号取得後の若い研究者は,民間企業や研究所に就職する場合を除くと,ほぼ全員がポスドク(他大学をも含む)として,数年間の修行をし,腕を磨いて(研究業績を蓄えて),別の大学へ応募して移ります。その際には,もちろん,指導教授の推薦状が大きな効果をもたらします。
こうした,公平な競争システムが日本にも必要である,と私は言っているのです。そうでないと,日本として多額の経費(税金)をつぎ込んで,せっかく養成した多くの若い博士号取得者を充分に活用できない,彼等の能力と力量を無駄にしてしまう,それは大きな国家的損失だと思います。今日でも,博士号取得後の多くの就職浪人の問題が新聞に出ることがありますが,それは,「当人の頑張り」だけでは打開できない問題であると思います。

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大槻義彦プロフィール
早稲田大学名誉教授 理学博士(東大)
東大大学院数物研究科卒、東京大学助教、講師を経て、早稲田大学理工学部教授。
この間、ストラスブール大学客員准教授、ミュンヒェン大学客員教授、名古屋大学客員教授、日本物理学会理事、日本学術会議委員、などを歴任。
専門の学術論文162編、著書、訳書、編書146冊。
近著『大槻教授の最終抗議』(集英社)、『子供は理系にせよ』(NHK出版)など。
物理科学雑誌『パリティ』(丸善)編集長。
『たけしのTVタックル』などテレビ、ラジオ、講演多数。

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